Nikonの一眼レフカメラのラインナップのなかで、ひときわ異彩を放っているDf。そのフィルムカメラライクな見た目から「見た目」で買うカメラと思われがちだが、実は性能面にも十分かつユニークな魅力がある。
外観はNikonのフィルムカメラFM/FE系に似ている。革のストラップがよく似合うカメラだ。
ニコンのラインナップのなかで一番古いカメラ
Dfが発売されたのは2013年11月。すでに発売から6年以上が経ち、お世辞でも最新機種とは言えないカメラである。後継機種が出ないこともあり、いまだに製品一覧のラインナップに入っている。
2019年2月現在、ニコンのデジタルカメラ製品のラインナップのなかでは一番古い機種になる。
新品だと18.6万円、中古なら12万円で手に入る。
実はNikonのフルサイズ一眼レフ最軽量
ゴツゴツしていて、いかにも昔のカメラという見た目から、一見重そうに見えるが、実はニコンのFXフォーマット(35mm フルサイズ)のセンサーを搭載したデジタル一眼レフカメラのなかでは最も軽い。
Dfの質量は「765g」(バッテリー、メディアを含む)。
軽量ながらも、外装はボディ上面、背面、底面にマグネシウム合金を採用しており、十分な堅牢性を確保している。また、D800シリーズと同等の防塵・防滴性能も確保している。
Nikonのデジタル一眼レフで、もっとも高い高感度画質
Dfの一番の特徴は当時のフラッグシップD4/D4Sと同じセンサーを搭載していることだ。フルサイズセンサーながらも有効画素数は約1620万画素と控えめで、画素ピッチにゆとりを持たせることで、高感度撮影時でもノイズの少ない高画質を実現している。
DxOMark で、主要3メーカー(キヤノン、ソニー、ニコン)のカメラをLow-Light ISO(高感度画質)の上位順に並べるとDfは8番目に位置している。
フラッグシップ機のセンサーで、その他はD600/D610と同等
D4S | Df | D610 | |
有効画素数 | 1625万画素 | 1625万画素 | 2400万画素 |
---|---|---|---|
連続撮影速度 | 11コマ/秒 | 5.5コマ/秒 | 6コマ/秒 |
連続撮影可能コマ数(RAW 14bit) | 102コマ | 29コマ | 14コマ |
最高シャッター スピード |
1/8000秒 | 1/4000秒 | 1/4000秒 |
AF測距点数 | 51点 | 39点 | 39点 |
AFセンサーモジュール | アドバンストマルチCAM3500FX | マルチCAM4800 | マルチCAM4800 |
電池寿命 | 3020枚 | 1400枚 | 900枚 |
質量 | 1350g | 765g | 850g |
Dfは、D4/D4Sと同一のイメージセンサーを搭載している。AFセンサーモジュールはD600/D610と同一で、測距点は39点。連写速度は5.5コマ/秒と、D610には0.5コマ劣るが、RAW 14bit記録での連続撮影枚数は29コマで、D610の倍となっている。
省電力性も優れており、NikonのDXフォーマット(APS-C)のエントリー機種である、D3000系やD5000系と同じバッテリーを使用するが、1400枚撮影することができる。
画素数はそこまで求めず、高感度画質優先で選びたい人にはおススメできるカメラだ。
Dfの操作系
Dfの特徴の一つが、フィルムカメラを意識したボディ、上面の操作ダイアルだ。
この機械的な操作感も売りの一つな訳だが、それを求めてない人には、かえって不便な仕様になっている。
シャッタースピード、絞りは他のニコン製品と同じくボディ右側に配置された前後のダイアルで操作できるので問題ない。
しかし、ISO感度(手動時)と露出補正は左肩にあるダイアルを使わざるを得ない。ダイアルにはロック機構も付いているため、ファインダーを覗きながらの操作はまず不可能だ。一度、ファインダーから目を外して、操作する必要がある。
フルマニュアルや露出補正を多用する人には明らかに不便だろう。ここは好みが分かれる部分だ。
Dfにおすすめのレンズ
最後に私の個人的にDfとの組み合わせにオススメのレンズを紹介する。
AI Nikkor 50mm F1.8S
標準パンケーキレンズの「AI Nikkor 50mm F1.8S」
Dfと組み合わせの良い軽量なパンケーキレンズ。小型軽量ながら、解像度もよく歪曲収差も少ない。8,000~9,000円くらいあれば中古で状態の良いものが手に入る。
すでにNikon Z6やSONY α7IIIの新品が19万程度であるから、今から新品のDf買うのは賢明な判断ではないかもしれないが、中古なら価格的にも十分アドバンテージのあるカメラだろう。
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